4ヶ月ぶり 深夜のアクセサリー制作「Bright Blue Eye ー輝く青い瞳ー」

なっちゃんが眠ってしばらく経ったPM11：30

産休前のご注文制作を完了して以来、

約4ヶ月ぶりに天然石たちと再会した。

日々励まし下さる方へ心ばかりの贈り物。

その方のお好みのアクセサリー・カラーをリサーチするため、公表されている取引評価を見てみる。

情熱系・暖色系ではなく

どちらかと言えば涼やかさ・静寂感を印象づける色たちのネックレスがお好きなよう。

M：今なら爽やかな色にする？

N：それもいいけど、もう少しインパクトのあるものがいいかな。

M：あまり得意ではないと言われる赤は？

　　ご自分で買わなくても贈られたならどう？

N：う～ん、やはり好きな色の方がしっくりするはず。

M：じゃぁ、グリーンアメジストは？

N：先日購入されてるみたい。

そんな会話を延々と。

マリエさんは「久しぶりだね」と、石たちに話しかける。

どうせなら皆に風を通してあげよう。

日付も変わろうという頃になり、やっとこの石にしようと決まった。

M：デザインは？

N：いつもシンプルスタイルのモノをお求めになられているようだけど。

こればかりはリーヴァマーレらしくマリエさんの感性で作りたい。

じゃぁ、ちょっと遊んでもいい？

今まで通り。

マリエさんが石たちと会話をしながらイマジネーションの世界に入る。

作品作りのヒントはあちらこちらにあり

何を見ても心の琴線はいつも敏感に反応する。

時には私が難題をぶつけ、

そのイメージをマリエさんが仕上げていくスタイル。

以前、緑の中で曼珠沙華が燃えるように咲くのを見て

「あれをイメージして作って」といったら

「もう！いつも難しいことばっかり言って！！」

私はというと商品説明文を考えながら、彼女がどうカタチに仕上げるのか楽しみに待つ。

雌しべや雄しべをワイヤーとルビー、レッドスピネルで表現。

オリジナルの1点物は常連のお客様のもとへ。

静まり返った深夜。

久しぶりに天然石の色や優しさに癒されながら過ごす時間は非日常で、

日中の喧騒を忘れ、やはりワクワクする。

ただ、マリエさんは長いブランクのあと。

出産によって感覚が変わってやしないだろうかと不安もあったらしい。

緊張した！

ものすごく緊張した。

この子たちが応えてくれるだろうか

「違うよ、その子じゃなくてこっちの子だよ」と今までどおり返事をしてくれるだろうか。

4ヶ月ぶりに持つ工具

目に見えないくらいの手の震え。

すっごい緊張したと連呼するあたりは

相当のプレッシャーを感じていたのだろう。

リーヴァマーレで人気の作品たちは、約1ｍｍ線径の硬いゴールドフィルドワイヤーを使用するものが多く

すでに腱鞘炎気味のマリエさんの手。

再開に向けての不安もあるものの、やはり作り手としてはまだまだ発信していきたいと思う。

イマジネーションの世界から戻った彼女。

「どう？」と、尋ねる作品はとても繊細でグラデーションがかったブルーパープルが美しい。

きらきら。

3滴の雫がみずみずしく光を放って輝く。

ひと目に付きやすい襟元をすっきり縦長に見せるY字ネックレス。

お好みのシンプルさとは全く違うけれど。

違うからこそお届けしたい。

ロンドンブルートパーズ・アイオライト・スカイブルートパーズのドロップに

コロンビア産エメラルドやイエローサファイア・ピンクスピネル・ホワイトトパーズなど。

アクセントに使用したピンク＆イエローの小粒ボタンが小粋さを増してくれる。

夏の陽が昇り始め、薄明るくなる空の色にも

宵の神秘的なカラーにも見える天然石たち。

なっちゃんが生まれた時に贈って下さったハーブティーのパッケージの色合いに感激して

いつか天然石で表現したいと思っていた絵をオマージュして。

「Bright Blue Eye ー輝く青い瞳ー」

仕上げたあと「私、変わってなかった」とひと言。

晴れやかな笑顔にクリエイターとしての自信を垣間見た夜。

母になり、また感情豊かに表現力を身に着けてくれることに期待したい。

そして、お届けしたネックレスがその方の胸元で輝きを放ってくれますように。