『京のよすが』に見る京都 四季の愉しみ 御菓子司『亀末廣』
文月 今日は小暑ですね。
ここ数日はずっと雨降り。
どうぞお気をつけてお過ごしになってください。
6月30日、夏越の大祓に戴く和菓子、水無月を探して辿り着いたのが京都市中京区にある文化元年(1804) 創業の御菓子司『亀末廣』
水無月は、ほとんどのお店が発送不可。
亀末廣さんも同様ですが、こちらには素敵なお菓子があり、電話で注文を受けて下さいます。
出かけられないので、せめてもの愉しみ。
代表菓子の『京のよすが』
”よすが ” とは「心のよりどころ」という意味。
電話をしたのは6月下旬で、その頃はホタルなどを模したお菓子だったそうですが、
その翌週からは祇園祭や夏の風情に変わるらしく、
「お日にちのご指定がないのでしたら、そちらにしましょか?」とお申し出下さって、
きっと涼し気な、
風流なお菓子なんだろうな。
想像がふくらみます。
月ごとではなく年に14~15種類ほど変わるそうで、
祇園祭の後は8月16日頃までは大文字焼き。
四季をお菓子で表現するというのは職人さんのセンスが問われますね。
難しいことだろうと思います。
で、届いたのがこちら。
『京のよすが 5.5寸(四畳半)』
とかく綺麗!
亀に末廣と焼き印の入った16cmの木箱に、お節料理のように詰められています。
この仕切りから呼び名が「四畳半」
そういえば、昔、家族が集まってお食事したのも四畳半だったなと思い出しました。
亀末廣さんのリーフレットは美術を専攻されたお嬢さんの手書きだとか。
細密に描かれていて趣きがあり、温かみを感じます。
フィトンチッドと言えるでしょうか、木の香りがやさしい癒し。
「手作りなので不揃いですが、それも楽しんでいただけたら嬉しいです」と仰っていらしたけれど。
ご謙遜な。
なんとまぁ、愛らしいこと。
祇園さんの団扇や、その横にある白い正方形にピンクの点々はまるで祭の提灯のよう。
この時期らしく紫陽花や、若い栗のイガ?みたいなもの。
紫陽花の葉は約2cmほど。
葉脈など、小さなものにまで手を加えるところに驚きを感じます。
全体の姿がほんとに綺麗!
ひとしきり眺めて。
これは何?どんなお味?と口に運ぶのが楽しみになります。
和三盆糖や小豆、白小豆、白いんげんの手芒、餅粉、米粉、州浜、黄な粉、すり蜜、寒天、山芋などを使って、
お餅や餡子玉、琥珀糖、お干菓子、すはま・・・。
ひとつひとつ食感もお味も違います。
京都のお菓子はすごく甘いものが多いけれど、
(こちらもまぁまぁ甘いですが)2cm程の大きさなので、それほどの感はありません。
お茶を飲みながら、のんびりゆったり。
ひとつひとつ、夏の京を想像しながら。
なっちゃんが寝ている間にマリエさんにお抹茶を点ててもらって戴くのは、なんとも心地良い。
半生菓子なのでお日持ちは5~6日くらい。
一段だけかと思っていたら、うれしいことに薄紙の下にもう一段入っていました。
「5~6日中って賞味期間中に食べきれるかな?」とマリエさん。
大食漢のどの口が言うのやら。
パクパクと手も止まらず、あっという間に一段目がお腹に消えようとしてるじゃないの。
それぞれお味が違う上にこのサイズなので次から次へと食べられます。
こちら5.5寸(四畳半)3,700円
その他(詰め合わせ)4,500円、5,800円~といった大きいサイズや、
お箱も変わって片開き 2,500円や、六角形の亀甲箱 1,200円というものもあります。
すごく京都らしい和菓子。
どこぞのお寺さんの門前に咲く紫陽花は今頃、雨に濡れているかしらなんて。
今まで出かけた京都旅を思い出しつつ、机上の旅に出た私たち。
大叔母がいるためよく出かけておりましたが、
あの頃は、どこも今ほど混んでいませんでした。
伏見稲荷の千本鳥居も
今じゃ考えられないけれど、
東福寺の通天橋だって昼の日中だというのに誰もいません。
貴船神社
SNSとかインスタ映えとか。
そういったことが増えて観光する方も多くなりましたね。
今年は中止になりましたが祇園社の御旅所と、しばし旅気分。
また季節が変わった頃にはどんな風情のお菓子に変わるのかしら。
ぜひまた戴きたいと思いました。
お出かけの際には京都土産にお求めになられたらいかがでしょう?
それにしても粽の川端道喜さんにしても、こちら亀末廣さんにしても。
老舗といわれるお店にはHPがないなぁ。
そういった広告などしなくても、口伝えに伝わって、
お客様が来て下さるものなんですね(´-`*)
今夜は七夕。
貴船神社の境内にあった笹飾り。
天の川をはさんでの逢瀬は叶うでしょうか。
雨雲がかかったら、地上から2人の姿を隠すためとか
織姫がうれしくて流す涙とか言われていますが。
どうか穏やかな空模様になりますように。
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