62年前の初恋




昨日は茶色い“おしるし”?が出て、また下の方(子宮口)が痛むそう。

もう出かかっているんじゃないかと思えてくる(・_・;)

だけど、やっぱり陣痛待ち。




長めのお散歩の後、タカコさんとお買い物。

夕飯の準備と、なぜか小麦粉をこね始める。




お料理が好きということもあるけれど。

痛みを促すように、

赤ちゃんが下がってくるようにと自分に負荷を掛けているようにしか見えない。




きっと本人が一番心配なんだろう。

月末になれば、サトシくんは東京・名古屋と出張続き。




自然にまかせよう、どうか焦らないでとも思うけれど。




私はというと調理中のマリエさんの後ろに座り、

お尻に顔をくっつけて、「こっちだよ~」と話しかける。




たぶん、人が見たら変な図だろうが、こっちは真剣なんだ。

下がれば陣痛も起きるかもしれない。

少しはマリエさんの気持ちの負担を減らしてあげたい。





今日BGMに流れているのは

松田聖子さんの「薔薇のように咲いて 桜のように散って」




真夏のような青空が広がる5月の風薫る日に、

昨日の夏ソングとかけ離れた理由はブログ内容にある。



タカコさんは今年82歳。

10歳違いの姉がいる。




伯母は目も耳も不自由なものの、

身体は元気で毎日のように「マリエちゃんは生まれた?」と電話がある。




記憶力もしっかりしていて

時々、様子見に出かけるタカコさんと60年以上前の話になったのはつい先週のこと。




今も時々思い出したように語るのだが、

タカコさんは従兄弟のアキちゃんに恋をしていた。




当時、だるまや(今の福井西武)に勤めていたタカコさん。

「すごくオシャレだったのよ」と同僚の方から聞いたことがある。




アキちゃんは近くに来るといつも会いに来たり、

8cmくらいのとても素敵な靴をプレゼントしてくれたこともあったとか。

背が高くて、とってもカッコイイ人だったの、と。




伯母が「あの頃、アキちゃんはタカコを嫁に欲しかったんだよ」と

今になり驚きのカミングアウト。




母親同士が姉妹。

アキちゃんの母親がすごくキツイ人だったため、

その家に末娘のタカコを嫁にはやれないと祖母が断ったんだとか。




「私、初めて知ったわ」




22歳で父と結婚したタカコさん。

「いつも優しくしてくれたの」

たしかに、誇りに思えるほど人情豊かな人だった。




だが、父にはすでに息子と娘がいた。舅と姑も。




いそがしすぎた父と居るのが嫌だったのか、

元の妻は2人の子供を置いて出て行ってしまったらしい。




22歳と若くパッと見、派手な女性が3日と務まらないだろうと、

近所中から言われつつも、それから60年。

姑、舅、兄、父を送って。




82歳になる今になって知る恋の行方。

ふたりはお互いを想い合っていた。




62年前にその話を知っていたら、

たぶん何と言われてもアキちゃんと結婚していたはず。




それを知って、

もしかしたら心は20歳の頃に戻ったかもしれない。

自分に違う人生があったのではと思ったかも。




そしたら、私もマリエさんも生まれていなかった。




「アキちゃんは今どうしているの?」と尋ねると

さぁ・・・家族でどこか県外に引っ越したって聞いたから、わからない。




父は母を想い、ずっと寄り添ってくれたけれど。

その父も今は亡く。

振り返ると幸せな人生だったと思うだろうか。




淡くて、お互いに告白さえもすることなく、

すれ違ってしまった恋。




もし自分だったらと思うと切なくなるけれど。




でも何事も運命。その人とは繋がっていなかった縁。

これからの人生を大事に過ごしてほしい。




マリエさんと赤ちゃんも。

その時は決まっている。きっと、もうすぐだよ。




そうそう、こうしている間に

小麦粉をこねていた物が仕上がってきた!

野菜とチーズがたっぷり入ったクリスピータイプのピザ🎵




きみはついにピザまで作れるようになったのか。




ママのお料理は美味しいよ。

一緒に食べれるのが楽しみだね。

とある街角の小さな宝石屋RIVAMARE アラカンマムの日々つれづれ

天然石アクセサリー とある街角の小さな宝石屋RIVAMARE(リーヴァマーレ)です。天然石のこと、日常のこと、大好きなスイーツことなど徒然に綴っています。 2019年5月、令和になってすぐに生まれたナツキくんの成長日記も。 日々いそがしく過ごしつつ楽しいことを見つけていきたいアラカン店主でございます。

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